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傷病手当金

傷病手当金の金額が減るパターンは?

投稿日:2014年2月15日 更新日:

傷病手当金の支給金額が調整されるパターン

傷病手当金を受給する場合、金額が上下することがありますので、予定していた金額と違った!とならないように金額が調整されるパターンを確認しておいてください。


支給額が調整される場合

(給料が支給された場合)

傷病手当金の額よりも多い給料(月給や休職給)が出た場合は、傷病手当金は支給されません。傷病手当金よりも少ない給料が出た場合は、その差額が支給されます。

(出産手当金を支給された場合)

出産手当金は傷病手当金より優先して支給されます。

(同一の傷病で障害年金を受けている場合)

傷病手当金の日額が障害年金額の360分の1を超える場合、その差額が支給される。

(退職後、老齢厚生年金や老齢基礎年金又は退職共済年金などを受けている場合)

考え方は上の場合と同じで、傷病手当金の日額が老齢年金額の360分の1を超える場合、その差額が支給される。ただし、遺族年金は対象外(健康保険法施行令38条)。

(障害年金と会社から給料(報酬)が同時に支給された場合)

障害年金と報酬の金額を比較して、金額が高い方と傷病手当金の差額が支給される。

※参照 傷病手当金又は出産手当金と報酬等との調整(健康保険法第108条)

1 疾病にかかり、又は負傷した場合において報酬の全部又は一部を受けることができる者に対しては、これを受けることができる期間は、傷病手当金を支給しない。ただし、その受けることができる報酬の額が、第九十九条第二項の規定により算定される額より少ないとき(第百三条第一項又は第三項若しくは第四項に該当するときを除く。)は、その差額を支給する。

2 出産した場合において報酬の全部又は一部を受けることができる者に対しては、これを受けることができる期間は、出産手当金を支給しない。ただし、その受けることができる報酬の額が、出産手当金の額より少ないときは、その差額を支給する。

3 傷病手当金の支給を受けるべき者が、同一の疾病又は負傷及びこれにより発した疾病につき厚生年金保険法 による障害厚生年金の支給を受けることができるときは、傷病手当金は、支給しない。ただし、その受けることができる障害厚生年金の額(当該障害厚生年金と同一の支給事由に基づき国民年金法 による障害基礎年金の支給を受けることができるときは、当該障害厚生年金の額と当該障害基礎年金の額との合算額)につき厚生労働省令で定めるところにより算定した額(以下この項において「障害年金の額」という。)が、第九十九条第二項の規定により算定される額より少ないときは、当該額と次の各号に掲げる場合の区分に応じて当該各号に定める額との差額を支給する。
一  報酬を受けることができない場合であって、かつ、出産手当金の支給を受けることができない場合 障害年金の額
二  報酬を受けることができない場合であって、かつ、出産手当金の支給を受けることができる場合 出産手当金の額(当該額が第九十九条第二項の規定により算定される額を超える場合にあっては、当該額)と障害年金の額のいずれか多い額
三  報酬の全部又は一部を受けることができる場合であって、かつ、出産手当金の支給を受けることができない場合 当該受けることができる報酬の全部又は一部の額(当該額が第九十九条第二項の規定により算定される額を超える場合にあっては、当該額)と障害年金の額のいずれか多い額
四  報酬の全部又は一部を受けることができる場合であって、かつ、出産手当金の支給を受けることができる場合 当該受けることができる報酬の全部又は一部の額及び前項ただし書の規定により算定される出産手当金の額の合算額(当該合算額が第九十九条第二項の規定により算定される額を超える場合にあっては、当該額)と障害年金の額のいずれか多い額

4 傷病手当金の支給を受けるべき者が、同一の疾病又は負傷及びこれにより発した疾病につき厚生年金保険法 による障害手当金の支給を受けることができるときは、当該障害手当金の支給を受けることとなった日からその者がその日以後に傷病手当金の支給を受けるとする場合の第九十九条第二項の規定により算定される額の合計額が当該障害手当金の額に達するに至る日までの間、傷病手当金は、支給しない。ただし、当該合計額が当該障害手当金の額に達するに至った日において当該合計額が当該障害手当金の額を超える場合において、報酬の全部若しくは一部又は出産手当金の支給を受けることができるときその他の政令で定めるときは、当該合計額と当該障害手当金の額との差額その他の政令で定める差額については、この限りでない。

5 傷病手当金の支給を受けるべき者(第百四条の規定により受けるべき者であって、政令で定める要件に該当するものに限る。)が、国民年金法 又は厚生年金保険法 による老齢を支給事由とする年金たる給付その他の老齢又は退職を支給事由とする年金である給付であって政令で定めるもの(以下この項及び次項において「老齢退職年金給付」という。)の支給を受けることができるときは、傷病手当金は、支給しない。ただし、その受けることができる老齢退職年金給付の額(当該老齢退職年金給付が二以上あるときは、当該二以上の老齢退職年金給付の額の合算額)につき厚生労働省令で定めるところにより算定した額が、傷病手当金の額より少ないときは、その差額を支給する。

6 保険者は、前三項の規定により傷病手当金の支給を行うにつき必要があると認めるときは、老齢退職年金給付の支払をする者(次項において「年金保険者」という。)に対し、第二項の障害厚生年金若しくは障害基礎年金、第三項の障害手当金又は前項の老齢退職年金給付の支給状況につき、必要な資料の提供を求めることができる。

7 年金保険者(厚生労働大臣を除く。)は、厚生労働大臣の同意を得て、前項の規定による資料の提供の事務を厚生労働大臣に委託して行わせることができる。

※参照 健康保険法等の一部を改正する法律等の施行について(昭和59年9月22日保発第87号/庁保発第22号)

傷病手当金の支給を受けることができる者が同一の傷病及び当該傷病に起因する疾病に関し厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)による障害年金の支給を受けることができるときにおいて、当該障害年金の額を三六〇で除して得た額が傷病手当金の額(健保法第五十八条第一項但書の場合には、同項但書に規定する報酬の額と同項但書に規定する差額との合算額)より小さいときには、その差額を支給することとされたこと。
ただし、その差額が健保法第五十八条第一項但書の差額より大きいときは、同項但書の差額が支給されるものであること。(健保法第五十八条第二項及び健保規則第五十七条ノ二。なお、別添の図を参照されたい。)

会社から見舞金が出た場合

大きな病気をした場合、会社によっては、見舞金や休業補償金や病気扶助など名称は様々ですが、お金がもらえることがあります。

このお金が報酬と判断されると、当然、傷病手当金から減額されることとなります。

その判断基準ですが、その見舞金の制度が会社の規則として文書で定められて、病気で休職した従業員に一律に支給されているお金であるならば、報酬とみなし傷病手当金との調整の対象となります。

また、会社が病気やケガで休んでいる休職者に対して、傷病手当金と今までもらっていた給料との差額を保障するために休職給を支給した場合も、その休職給を傷病手当金から調整することになっています。

※参照 病気見舞金について(昭和10年4月20日保規第123号)

昭和十年四月十三日付十健保給発第十八号ヲ以テ照会相成候標記ノ件右ハ其ノ給与ニ関シ規定又ハ基準モナク単ニ所謂病気見舞金ト認メラレ報酬即チ労務ノ対償トハ認メ難キニ付法第五十八条第五十九条ノ規定ハ適用ナキモノト思料セラレ候< 被保険者ニシテ休業期間中金銭ノ給与アルモノニ関スル件 法第五十八条並同第五十九条ノ適用ニ関シテハ大体御通牒ノ趣旨ニ依リ之カ取扱致居候処左記事項ニ関シ聊疑義有之候条何分ノ御回示相仰度 記 何等ノ成文ナク只慣例トシテ事業主ノ意志ニ依リ私傷病ノ場合ニ於テモ日給者又ハ月給者ニ対シ金銭ヲ給与シ之カ名目ヲ休業手当ナリト称フルモノ或ハ休業扶助料又ハ見舞金ナリト為スモノ等往々アリ是等ハ職工保護ノ精神ヨリ見ルトキハ所謂報酬トハ認メサルヲ至当ト思料セラルヘキモ一面健康保険法上ヨリ考フルトキハ報酬ト認メ取扱フヘキモノノ如ク思考セラル斯ル場合ニ於テハ其名目ノ如何ヲ問ハス其ノ実例ニ依リ同一ノ取扱ヲ為スヘキモノト認メラルルモ右何レニ依ルヘキモノナリ哉

※現代語訳

給与に関して規定や基準がなく、単に病気見舞いとして報酬とはならないものを支給した場合は、傷病手当金との調整対象ではないですよね?

(回答)

なんの規定もなくただの慣例として、事業主の意思によって私傷病の従業員に金銭を与える場合は、名目が休業手当、休業扶助または見舞金など関係なく、これを報酬とは認めない。

※参照 法第五十八条と見舞金との関係について(昭和25年2月22日保文発第376号)

傷病手当金の支給を受けた場合、標準報酬の四割を見舞金として支給する旨、社則および労働協約に規定し、其の費用は、会社の福利施設費から支出するのであるが、事実上労働協約により従業員が事業主より生活補給金としてかちとつた観があり、性質上この臭味が濃厚である。この問題は、全国的なものとも思慮せらるるので法第五十八条の関係については、何分の御指示を相仰ぎたい。
(回答)
昭和二十五年一月十六日函社給第二一五号によつて照会になつた件については、次によつて取り扱われたい。見舞金その他名称の如何を問わず、就業規則又は労働協約等に基き、健康保険法第二条にいう報酬支払の目的を以て支給されたと看做されるものであつて、その支払事由の発生以後引続き支給されるものは、法第五十八条の報酬に該当する。従つて、御照会の件の如く、標準報酬の六割を傷病手当金とし、残額四割を見舞金として支給し、これを以て、事業主が支払うべき報酬の支払義務を免れると考えられる場合は、名称の如何に拘らず報酬とみなすべきものである。

※現代語訳

傷病手当金の支給を受けた場合、標準報酬の4割を見舞金として支給する旨、社則および労働協約に規定し、その費用は、会社の福利施設費から支出するのであるが、事実上労働協約により従業員が事業主より生活補給金として勝ち取った観があり、性質上この臭味が濃厚である。この問題は、全国的なものとも思慮せらるるので報酬との関係については、御指示をください。

(回答)

見舞金その他名称のいかんを問わず、就業規則又は労働協約等に基き、健康保険法上の報酬支払の目的をもって支給されたとみなされるものであって、その支払事由の発生以後、引き続き支給されるものは、健康保険法第3条の報酬に該当する。従って、御照会の件のように、報酬の6割を傷病手当金とし、残り4割を見舞金として支給し、これをもって、事業主が支払うべき報酬の支払義務を免れると考えられる場合は、名称のいかんにかかわらず報酬とみなすべきものである。

レール

前払い退職金制度がある場合

通常退職金が支払われた場合、傷病手当金との調整は行われませんが、一部の会社では、退職金を毎月の給料に上乗せして支払う前払い退職金制度があります。

この前払いされた退職金が報酬とされれば、傷病手当金と調整されることとなります。

結論から言うと、年に4回以上、上乗せして支払われている場合は、労働の対償としての性格が明確であり、被保険者の通常の生計にあてられる経常的な収入としての意義を有することから健康保険法上の報酬に当たることになり、傷病手当金との調整の対象となります。

※参考 いわゆる退職金の前払いに係る社会保険料の取扱いについて(平成15年10月1日保保発第1001002号/庁保険発第1001001号)

退職金については、これまで報酬とみなさず、社会保険料の賦課の対象としておりませんが、近年、企業において賃金体系や退職金制度の見直しが進む中で、退職金相当額の全部又は一部を在職中に給与や賞与に上乗せして前払いする制度(いわゆる退職金の前払い制度)もみられるようになっております。
このような場合、社会保険料の取扱いをいかにすべきか、御教示願います。
(回答)
被保険者の在職時に、退職金相当額の全部又は一部を給与や賞与に上乗せするなど前払いされる場合は、労働の対償としての性格が明確であり、被保険者の通常の生計にあてられる経常的な収入としての意義を有することから、原則として、健康保険法(大正11年法律第70号)第3条第5項又は第6項に規定する報酬又は賞与に該当するものであること。
支給時期が不定期である場合についても賞与として取り扱い、これが年間四回以上支払われているものであれば、報酬として通常の報酬月額に加算して取り扱うこと。
また、退職を事由に支払われる退職金であって、退職時に支払われるもの又は事業主の都合等により退職前に一時金として支払われるものについては、従来どおり、健康保険法第3条第5項又は第6項に規定される報酬又は賞与には該当しないものと取り扱うこと。
なお、この取扱いについては、年金局年金課、社会保険庁運営部医療保険課、同年金保険課と調整済みであること、及び厚生年金保険制度においても同様であることを申し添える。

管理人
私の場合は、特に調整が発生することはなかったと記憶しています。

一番、記憶に残っているのは退職金の少なさです。大きな会社で5年ほど働いていましたが確か10万円もなかったと思います。

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